2011年5月2日月曜日

下関市立美術館

4月30日、松田理奈さん、奥泉貴圭さんとのピアノトリオ、Volando Trioにとって初のフルリサイタルを、第二の故郷の下関にて無事に終えました。
震災後初めての大きな本番。果たして、聴きに来て頂けるのだろうか。と心配をしていました。
当日、会場に溢れ立ち見までして聴きにいらしてくださった約450人もの聴衆の皆様が目に飛び込んだ瞬間、三人とも心から感謝を胸にステージに立ったと思います。

ブラームス、ショスタコーヴィチと対極的な作品をどう弾き分け、伝えるか。
前日のリハ、響きや互いのポジションの定位置を定めるまで、美術館の方やお世話になった先生方には沢山の我儘、時間を取って頂き、心から感謝しています。
そして何より、今回は想いの込もったスタインウェイピアノ。
このピアノを復活させるにあたり、尽力し、沢山の方々に呼びかけた今は亡き牛尾シズエ様。
彼女に僕らの音は届いたでしょうか。
アンコールの街の歌、二楽章では、三人が弾くというより、会場の全員が不思議な力により、導かれたような空気に包まれたように感じました。
演奏中、彼女に頂いた沢山の愛を思い出し、胸が苦しくなり、2人を見たら、涙を流し音を奏でていました。
やはり、弾く事は祈る行為に近いと感じます。
3月11日、地震の瞬間、僕らは偶然にも三人でいました。
その後起きた、信じ難い現実の中、音楽は無力なのか。何も出来ない自分に、音楽家としての自分に、答えの出ない無力感でいっぱいでした。
今回、リサイタルを終え、もちろん反省点もありますが、ひとつ、ハッキリと答えを彼女が天国から導き出してくれました。

音楽は、決して無力ではない。
聴いてくださった皆様から、沢山のエネルギーを頂きました。
東京に戻る前に、お墓で手を合わせ、シズエおばあちゃんの想いの込もったピアノを下関の皆様にまた披露出来た報告ができました。
また次の演奏に向け、精進する思いです。
Volando=飛ぶ、飛翔する
素晴らしい弾き手の彼ら2人に負けないよう、来月のソロリサイタルも、頑張ります。
また帰って来ます。
下関の皆様、お元気で!